Truffe une planète à dècouvrir 2019

Truffe のイベントへ行って来た

Valenceの街おこし、Truffeイベントへ出かけて見た

今年で2回目というトリュフイベント。トリュフといえばペリゴール地方が最も有名だが、ここアルデッシュ県の隣、ドローム県は実は隠れたトリュフ産地だったらしい。で、昨年実施したイベントが好評だったので、継続することになったこのイベント、まだまだ知名度が低いから、穴場のお得な体験が期待できそう。

コンテンツが強いからシンプル・小規模でも十分楽しめる!

来訪の目的は、トリュフを食べることと買うことだけ。ところが予想を超えて、充実したグルメ祭りでした。屋外には沢山の出店、トリュフ関連の食材から地元の名産、グルメが反応しそうなエスカルゴやサフランや家禽類や…これだけでも飽きない。さらにメイン会場内では、小さなステージでワイン商によるトリュフとエルミタージュのマリアージュ(3種)のレクチャーや、地元のミシュラン星シェフによる料理講座(伊知地シェフも!)、品質を見分ける化学的な説明ブース、そして生産者が直接トリュフを販売、レストコーナーではトリュフ料理を提供、などなど。会場外では、トリュフ犬の実演も行われた。豚と違って、犬は探すだけ。飼い主に在処を教えて、掘るのは飼い主なので、傷つけたりすることはありません。

午前中ならゆったり飲食もできる!

イベントは9時半スタート、私はワイン試飲のレクチャーを狙って10時半過ぎに到着。既に大勢がグラスを片手に、全然レクチャー聞かずにワイワイおしゃべりしている。どこでワインがもらえるのかな〜?と会場を一周して、どうやらドリンク販売コーナーで買うみたい。私もグラスワインを注文(2€)しようとすると、店員のおじさんが「3€でトリュフトーストがついて、試飲のワインでマリアージュもできるから、絶対それがお得!!と教えてくれた。実際、これは本当に安かった。グラスを持っていると、マリアージュ試飲用のエルミタージュ3種が実質飲み放題。バイトのお兄さんお姉さんに「注いで」とお願いすると、何度でもいただけちゃう。30分ほど楽しんだ後、ランチまでの間は買い物。試食させてもらったトリュフのラビオリが超美味しくて2袋購入。冷凍品なので、帰りにピックアップすることに。トリュフは小ぶりな40gものを32€で購入。オムレツ1人前に10gが目安とのこと。相場を知らないので高いのか安いのか分からないが、33€のところ小銭が足りないと言ったら不足分の1€をまけてくれた。40gが思いの外、小さかったので、大きい方が美味しかったりするのかな?と思って聞いて見たら、サイズは全く関係ないそうだ。むしろ食べきる丁度良い大きさを吟味する必要があるとのこと。勉強になりました。

11時半に早めのランチ。レストコーナーは11時からだったけど、全然始まる感じがない。どういう営業の仕方をするのか、内輪でガヤガヤと準備している様子。私が「注文したいんですけど〜」と声をかけると、「あなた、今すぐここで食べるの?それとも後で?」今すぐ食べます、と答えてオムレツとサラダを注文。チケットを持って席で待って、とその後も半券を取りに来たと思ったら、残りの半券をまた別の担当が取りにきたりして、店員同士で「あなた、それもうこっちにあるわよ!」みたいな軽い揉め事。大丈夫か?そんな中、周囲に着席する客も増えてきて、席取りが始まり、注文カウンターにも列が出来ている。早めにスタートして良かった。

少しすると料理が運ばれてきて、一斉にみんなの注目が。「それは何?」「美味しい?」「サラダのチーズもトリュフなの?」と色んな人が質問しにきた。私が満悦で食べてる姿は、おそらく初期の売り上げに貢献したと思う。これで25€だから少々贅沢なランチではあるが、レストランと違って一人でも気兼ねなく食べられるし、ボリュームもしっかりあって大満足。

オムレツはトリュフたっぷり!

夕食はトリュフパスタ!愛犬マリーにも香りがわかるみたい

帰宅後、早速夕食にトリュフを食べようと、半分はパスタに、残りは明日の昼に再び自作オムレツにするつもり。温度の低いところに保管するので、玄関先に置いておいたところ、マリーが何やらクンクンと鼻を利かせて付近に寄ってくる。香りがわかるの?普段こんな行動はしないので、間違いなくトリュフを探している。こんな才能があったとは!15歳にして気がつくとは…もっと早く分かっていれば調教したのにね。

とにかくしっかり満喫しました。来年も初日午前中に絶対行くぞー!

2019年は中殺界!新年早々、救急病院へ

ヴァランスの救急病院

またまた忙しい日々が…

年が明けて3日まではのんびりと過ごし、3日の夜に弟が仕事の残りを片付けにやって来た。今回は5泊6日の滞在で、またも慌ただしく仕事、そして無償労働の罪滅ぼしにということで、車購入と保険加入、銀行口座開設にも同行し通訳してもらった。

階段から転落、そういえば中殺界でした

そんなこんなでバタバタして、頭も体もすっかり疲れた弟帰国の翌日、直接ワインを買いに来る近所のおじさんが「年末に受け取れなかったワインをもらいに来たよ〜」とやって来た。醸造所の地下カーブにあるから取ってこなければ、とつっかけサンダルで小走りに真っ暗闇の階段を降りて行った私。折り返しの踊り場でよろめき、壁に手をつこうと右側に手を伸ばした瞬間、そうだった、ここには壁がない。真横にズドーンと転落した。1m少々の高さ、頭の位置からすると2m以上の転落。ほんの数分、意識は空白。「電気をつけなきゃ…」とずりずりと床を這っていく。異変に気づいたおじさんが、スマホのライトを照らしてくれて、「大丈夫?」と驚いている。「メガネ、メガネ」と探そうとしたら、おじさんが少し離れたところにすっ飛んでいたメガネを拾って持って来てくれた。ようやく起き上がると、うん、手指も動くし、神経と骨は問題なさそうね。少し頭がボーッとするが、むしろ右半身の強烈な打撲と、恐らく階段に打ち付けた顔面が痛い。とにかくワインを渡して、おじさんは心配そうに帰って行った。

救急病院で頭の検査を受ける

その日は予定を全てキャンセルして安静に寝ていたが、翌日は灯油が切れたので(床暖房も故障中で石油ストーブ頼み)買い物に行かなければならず車で出かけた。右側の手首と肋骨も痛んでいるみたいで、ハンドル操作がきつい。帰って来て3日間寝込んだら、傷の痛みは随分と改善して来た。それと入れ替わりに頭がどんどん痛くなり、喋っていてもなんか上の空な感じ。おじさんからも安否確認のSMSが。4日目、ワイン箱詰め作業をしなければいけないのだが、全然無理。いよいよ心配になって、自分で運転は無理そうなので、友達に近所の病院へ連れて行ってもらった。頭の検査が必要だから街の大きな救急病院へ行くように言われて、お昼前に到着。受付後、友達は一旦帰り、終わったら迎えに来てもらうことに。簡単な問診後、腕にバーコードをつけられて、ストレッチャーに横になり、点滴を打たれて、そのまま廊下で診察待ち。

デジタルに管理されてて、病院で働く皆さんはとてもキビキビしている。

この時点で12時半。疲れと頭痛でしばしうとうとと眠ってしまう。14時頃に目が覚めて周囲を見ると、少し移動しているようだが、廊下にはまだまだ長い列が。頭を打った患者は皆さんストレッチャーに寝かされて診察の順番待ち。

15番目くらいだろうか。私の後ろもさらに列が伸びている…

いったい何時になるのだろう。そのまま寝たり、スマホを見たり、と過ごすこと5時間半、19時半にようやく診察の順番が回って来た。優しい女医さんが、バランス感覚や目の動きとかのチェックをして、問題は無さそう。問診でちゃんと答えられるかのテストは、言葉ができないので意味なし。あとはスキャナーで検査して、大丈夫ならすぐ帰れますよー、検査はあっという間に終わります、と言われて、そこから2時間検査待ち。確かにスキャニングはたったの2分で終了。移動もストレッチャーで寝たまま、看護師さんがガラガラと押してくれる。終わって戻って来ると、廊下も診察待ちの患者の列で、もう場所がないらしく、外れた場所に放置され、点滴も空になり血液が管を逆流している。不安そうに看護師さんの方を見ると「それは普通よ〜」、そうなの?そのまま待たされて2時間・・・夜中の12時を回ってしまった。辛い。

ストレッチャーから降りて、帰りたいと訴えようと思った矢先に、看護師さんが通りかかり、「どうしたの?」と聞いてくれたので、半泣きで「家に帰りたい〜」とたどたどしいフランス語でお伝えしたら、「すぐに状況を確認して来るわね」と優しい対応。で、30分後に女医さんがきて「待たせてすみませんでした。結果は問題無かったので、もう帰っていいですよ」と解放してもらえた。他の患者さんは、別の部屋にまとめて押し込まれて朝まで待機するように言われていたから、きっと検査や診察待ちで世を明かすのだろう。夜中の1時に友達(日本人)に迎えに来てもらって、彼女は「お腹が空いたでしょう?」とおにぎりを持って来てくれた。日本人の優しさ!心から美味しい!

後日、スキャンデータはCDーROMで送られ来た。請求は後日自宅に郵送。取り敢えず海外長期滞在者用の保険に加入してあるので、それで賄うつもり。薬の処方は特に無かったが、フランス語の先生達が「ホメオパシーのアルニカが事故のショックとか怪我に効くわよ」と教えてくれたので、それを試して見ることに。うん、飲むと少しクラクラするけど、その後はスッキリするのでなんか良さそう。

というわけで、初めて病院を経験し、フランスの医療環境を目の当たりにすることとなったのですが、長時間待っている間にも、救急隊員達が突然脱兎のごとく飛び出して行ったり、明らかに重症そうな人が運び込まれたり、この日は特に患者が多かったみたいで、笑顔で患者に対応しながらも片隅で「疲れた。。。」と呟く看護師さん、とても大変な仕事をしているんだな、と真摯な様子に感じ入りました。今後は不用意にこの人達に負担をかけることのないように、とにかく気をつけて行動しよう、健康管理をしっかりしよう、と反省しきりの年明けです。特に今年は中殺界だからね(by 細木数子)。

初のフランス年末年始は、のんびり自宅で <ノエル>

フランスで初めてのノエル!

フランス1年目の年末は、まだ来たばかりだし、自宅で過ごすことにしました。Valenceの街中は一応イルミネーションや花火のイベントがあったりして賑やからしいが、私は仕事に疲れ、また夜に一人で出歩かない方が良い(Valenceの街の治安はちょっと心配)、ジレジョーン(黄色いベストのデモ)もあるし。。。ということで、本当にひっそり過ごしました。

皆さんだいたいは家族全員集合なので、12月に入った頃には、今年の孫のプレゼントは何にしようかな?とか準備に余念の無い様子。20日くらいからバカンスに入り、習い事も全ておやすみ。私はワインの年内出荷を21日終え、残務は全て年明けに持ち越すことを決めて、ノエルを迎えることにした。

ちょっとだけデコレーションしました

発泡スチロールのペンギン

例年は庭のモミの木に電飾を飾っていたらしいが、木はもう10m以上になってるし、私には無理。そこは何もしない。大型スーパーAuchanには膨大なノエルのデコレーションコーナーが。パパノエル(サンタさん)と白熊、ペンギンの人形が多く売られている。可愛いので早速購入し、使っていない薪ストーブの上に置いてみた。どうかしら?うん、これで十分。

ディナーはミシュラン1つ星レストランのテイクアウト

La Cachetteの前菜は、ソモンフュメ、フォアグラテリーヌ

Valenceで活躍する日本人シェフ伊知地さんのレストラン「La Cachette」がノエルにテイクアウトメニューを販売していると聞きつけ、早速予約。特にこの自家製ソモンフュメ(スモークサーモン)が絶品と聞き、2kgも注文した。正月にも食べたいし、残ったら冷凍してしばらく食べ続けようという魂胆。フォアグラも素晴らしい!貧血気味の私には、健康食品としても有難い存在なので、こちらも年末年始は毎日食べよう。

初のシャポンは絶品!

そして何と言ってもこのメインディッシュ!私、シャポンを食べるのは初めてです。クリスマス用に育成された大型の鶏で、フランス人にとっても贅沢品。この時期のレストランでしかお目にかかれないので、これまで機会がありませんでした。柔らかで上品な身質、そしてソースがまた素晴らしい。濃厚クリーミーなモリーユ茸たっぷりソースはついついパンも進んでしまう。あまりに美味しいので、購入した2人前のシャポンにソースは1.5人分だけかけて、残りは後日パスタで食べよう。

ノルマンディー産が高い

こんな感じで、24日の夜から年末の間はずーっと贅沢三昧。大晦日からは和食にスイッチする予定なので、30日はフランス食のラストってことで、オイスター三昧することに。ノエルから飲み続けているナチュールのペティアン(微発泡性ワイン)もバッチリ合った。食に関しては、本当に理想通りの生活が満喫できているので嬉しい。

来年はこの時期に一時帰国するつもりだが、La Cachetteのディナーだけは食べたいなぁ。ノエルの後に帰国しようかな?

最後に、ノエルの準備に、と22日(土)にチーズ屋さんへ行ったら店の外まで長蛇の列。ノエルまでは休まず営業するということだったので、諦めて翌日曜の午前中に出直したが、それでも満員。皆さん購入していく量がハンパない。これが無いとノエルを迎えられない!って感じで鬼気迫る雰囲気でした。

晴れて滞在許可がおりました!

9月中旬に入国して早3ヶ月。出国時の仮VISAを正式化するための滞在許可がようやくおりました。いやぁ、聞いてはいたけど時間かかったわ。でも年内に片付いて良かった。ほっと一安心です。

滞在許可証取得までの道のり

郵便受領書もデザインきちんとしてる

入国後の流れはこんな感じ。

9/19 入国

9/21 書類送付(パスポートの入国印コピーとか)

10/1 AR通知到着(移民局が受け取った証明)

10/25 移民局(OFII)からの受領書到着(召喚状を待てとの指示。許可が降りるまで国外に出てはいけないよ、とか)

11/29 召喚状到着、必要書類の連絡(肺のレントゲン写真を持参、とか)

12/20 召喚→その場で滞在許可証交付(パスポートにシール貼り)

レントゲン撮影に行く

きれいな肺です。

家の近くの病院でも良いのですが、移民局指定の病院だと無料でやってくれるとのことで、電話でアポを取り、リヨンまでレントゲン撮影に行って来ました。まぁ撮影は日本と同じですね。ちゃっちゃと終わりました。その場ですぐに写真ももらえて、簡単だったのですが、その道中は大変だった。

例のジレジョーン(黄色いベスト)のデモの真っ最中で、万全を期して電車で行こうとチケットを買ったのに、電車が時間になっても来ない。10分くらい遅れてやっと来たと思ったら、「50分後に発車します。」と大幅な遅れのアナウンス…間に合わないじゃん。駅まで車で来ていたので、急遽、車でリヨンへ向かう。焦りながらも、とりあえずは10分遅刻で到着し、何事もなく受付けてもらえた。帰りは、前から行きたかったケーキ屋に立ち寄り(aux merveilleux)、さっさと帰って来ました。Valenceの高速道路の料金所にはジレジョーンがわんさといて、占領状態。恐る恐る通過しようとすると、窓を開けろという。少しだけ窓を開けると、高速道路の通行券を取り上げて、「今日は無料だよ〜」と陽気に、本当に楽しげに、通してくれたのでした…。変な恩恵受けちゃったな。

移民局の召喚

召喚って、日本じゃあんまり使わない言葉ですが、やっぱり私、移民なのね、って感じ。集合時間には、国籍様々な人たちが30人くらいワラワラと移民局前に溜まっています。屈強そうな警備員が、本日の召喚リストと各人持参の召喚状を照合して、4−5人ずつセキュリティの二重ドアを通過させてエレベーターに乗せて行く。エレベーターを降りてもう一度照合、待合室で待機して、さらに今度は受付にてパスポートで一人一人の身分証チェック。雰囲気は和やかだが、実に徹底している。

その後は、各人対応が異なるようで、私は割と早めの呼び出しで、問診と診察を受けて終了。ただの長期滞在なので語学テストはありませんでした。問診では身長を自己申告、体重はきちんと測って、あとは血糖値を検査。診察では、過去の予防注射接種歴を聞かれ「子供の頃だからわからない。10歳くらいかな?」と適当に回答。「日本人はちゃんと受けてるからいいけど、今後この4つ特に破傷風の予防注射は受けるように。65歳までの枠に入ってるから、近所でこの紙を渡して受けてね。」そしてレントゲン写真を提出すると「C’est jolie!」きれいだね、と褒められました。肺だけど、嬉しい。

それが終わると、受付のお姉さんが諸々提出物を確認して(税金の印紙購入証明とか)、パスポートの長期滞在VISAの横に滞在許可証シールを貼付。「フランス生活楽しんで、頑張ってね」と笑顔で渡してくれました。忙しいのに優しいなぁ。

最後にエレベーターに乗り込むと、冒頭の警備のお兄さんがポツリと独り言「Je suis fatigué…(疲れた)」と2度も呟いた。「毎日こんなに沢山の人が来るの?」と聞いたら、すごい早口で恐らく愚痴をまくし立て始めた。何だかよくわからないけど、今日は特に大変だったのね。(私には全くそうは見えなかったけどね)

以上、1時間半くらいで終了。次の人達が来ているわけでも無さそうだから、午前と午後の1回ずつくらいじゃないかしら?1日60人くらい?

とにかく無事に滞在許可証がもらえたので、ようやく国外にも出られる!来年は、いっぱい旅行しよう!

激務…ワインの出荷作業に追われる日々

「ワインの仕事は仲間に任せてあるので、何もしなくていいから」

渡仏前に弟は確かにそう言っていた。「私で出来ることがあれば、何でも言ってね」と私も確かに言ったのだが、まさかこんなに大変なことになるとは。。

急遽の大量出荷にてんやわんや

11月の半ば、弟がやって来て、その悪夢は始まった。「仲間との会議が終わったら、どこでも行きたいところに案内するよ」などと嬉しいことを言っていたのに、「日本の立ち上げに注力している間に、フランスの出荷を先延ばしにして寝かせていたことをこっぴどく怒られた。今すぐ出荷作業を始めて年内に片付けることになった。」あらそう、大変ねー、そんな時間あるの?と思ったら、何だ、私がやるのね。どのくらい大変なのか、予想もつかない私、10日間くらいの労働と聞き、まぁそのくらいは手伝うか、と引き受けました。

ラベルの準備。全て手作業。

醸造場の地下に眠る瓶詰め済みのワイン達を引き上げ、1本1本水拭き。ざっと4千本くらいだろうか。エチケットには年次の記号を追加記入しなければならず、スタンプ押したりシール貼ったり、地道な内職も続く。

エチケットは機械で貼るのだが、物により首に年次シールや裏書きシールを貼るのは手で1枚1枚貼っていく。アシスタントの日本人女性1名が一緒に作業してくれるのだが、これが早くて頼りになる!!二人で毎日黙々と作業すること2週間。ようやく目処が立って来た。

大量、大量

そこへ再び弟がやって来て、「カーブの樽で寝かせていたワインと瓶熟成した09年物も一気に出すよ。」と結局さらに6千本ほどが追加され、合計1万本近い作業に。樽からホースでタンクに移す→タンクとタンクを均質化しながら瓶詰め(充填機でやる)→エチケットを貼る→梱包する→パレットに積む。1箱12本で約10kgを毎日60箱くらい積み上げる。出荷する時には、出荷先毎にパレットに積み替えて行く。この上げ下げを繰り返し、腕は完全に腱鞘炎、ダンボールや水拭きで手荒れも酷い。

フォークリフトも乗りこなす

積み上げたパレットはフォークリフトで動かして、ただでさえ狭い醸造場は、積み上げられたワインでもう一杯いっぱい。朝7時半から夜7時過ぎまで、この肉体労働が毎日続き、土日もなく、遊びもなく、勉強する気力もなく、1ヶ月が過ぎ去った。あぁ、結局こういう宿命なのだろうか。思えば、会社勤め中もこんな感じで、後から後からやることが増えていく…

弟の試飲後の残りワインがご褒美

そんな中、弟が来る度、瓶熟成や樽の中のワインの状況をチェックするので、毎回3−4本くらい開けていく。その残りはご褒美として?私が美味しくいただきます。そのくらいの役得は無いとね。やってられないわ。

12月中旬に入り、ようやく出荷が始まる。大きなトレーラーが引き取りにくるので、フォークリフトで積み上げ、輸出や納品関係の書類を渡し、確認サインをする。言葉もロクに出来ないのに、私も一人でよくやるもんだなぁ。トラックの運ちゃんは、みんな気の優しい人達で、私のノロノロ作業も温かく見守ったり手伝ってくれたりして、それは本当に救いだわ。本年最後の人に「良いクリスマスを!」と声をかけたら笑顔で「あなたも!」と去って行った。まだ半分くらいの出荷と間に合わなかった一部の作業が年明けに持ち越しだけど、疲れたからもう年内はやーめた!!っと。

 

ウォーターケフィア、始めました。

ようこそ、ケフィアグレインズ

我が家にやって来たケフィアグレインズ。

どこぞのセレブたちが愛飲しているというウォーターケフィア。ピラティスの先生から親株を小分けしてもらった友達から、さらに孫分けしてもらいました。この瓶の中の小粒な寒天みたいなのが、「ケフィアグレインズ」なる種菌です。

糖分を餌にして増殖、その際に水分を発酵して、乳酸菌や酵母微生物、ビタミンB、ビタミンCなどを含む液体へと変化します。整腸作用があるので、お肌とか免疫改善とかにいい、とのふれこみ。

続々増える可愛いペットたち

一次発酵、仕込み中。24時間安静に。

早速、1.5Lの麦茶用のポリエチレンボトルサーバーに、砂糖を大さじ2−3杯(適当です)を入れて、水道水をジャーっと1Lちょっとくらい入れる。発酵の際に炭酸ガスが出るので、満タンにしてはいけない。グレインズは金物がダメなので、砂糖を溶かすのは木の菜箸で。そこに水洗いしたケフィアグレインズを投入。あぁ、昔、熱帯魚を飼ってた時の水槽洗う感じを思い出すわ。で、蓋は緩めてガスが抜けるようにして、24時間ほど常温放置。

粗糖が良いらしいので、私は普段使用しているきび糖にしました。この段階では甘ーい砂糖水。この後、糖分をエサにしていくので、一次発酵後は甘みがほとんど無くなります。だんだんプシュプシュと泡が出て来た。美味しいきび糖で、すくすくと育っておくれ。どうなるのかな〜、楽しみ〜。

二次発酵は、創意工夫であなた次第のケフィアウォーターに!

絶賛、二次発酵中、48時間以上は寝かせたい。

さて、一次発酵が終わると、ケフィアウォーターのできあがり。軽い微発泡で、ちょっとトロミがある感じ。ほのかに発酵臭がして、薄い甘酒のような味わい。

このままでもいいんですが、美味しく楽しみたい!ということで、グレインズを取り除いてから次なる餌を投入します。そう、微生物たちは水分にも増殖したので、グレインズ無しで二次発酵が出来るのです!化学って素敵!

一般的にはドライレーズンがメジャー。我が家には、庭の葡萄の木に勝手に乾いてしまったドライレーズンがあるので(超美味しい!)、先ずはこれを投入。何粒くらい入れるのか分からないので、取り敢えず10粒ほど入れてみる。炭酸ガスでブワーッと上に上がって来た!二次発酵では炭酸も楽しみたいので、しっかり蓋を閉める。さらに、半乾きの(腐りかけ?)の葡萄とリンゴを齧った跡の芯を入れてみる。もう一つ、義妹の手作りジャムが発酵しちゃってアルコールになりかけの杏ジャムでも作ってみる。

それぞれ違った味わいで、ほのかな甘さと爽やかな風味になり、うん、飲みやすい。ということで、毎日ゴクゴク飲んでます。一次発酵を終えたグレインズは、再び砂糖水に入れると何度でもムクムクと増殖し、発酵してくれる、エンドレスな生き物たち。夏場は腐らないように、冷蔵庫で休ませたり、お世話の仕方がちょっと丁寧になりそう。

庭に柚子の木があって、今年は沢山実をつけたので、ピラティスの先生たちケフィア仲間にもお裾分けしたところ、柚子で二次発酵したケフィアウォーターがすこぶる美味しい!と大評判。私もやってみよーっと。

SNS詐欺!?語学勉強で遭遇しました

早くフランス語が話せるようになりたい!という焦る気持ちが高じて、TandemというSNSサービスを利用し始めました。お互いに学びたい言語を教え合う無料サービス。インターネットって本当に便利ですね。https://www.tandem.net/ja/

Tandemに登録すると

私はフランス語を勉強したい、日本語ができます、とプロフィール登録すると、検索で条件に叶う相手を探すか、相手から申し込みのメッセージが来て、まずはチャットで簡単なフィーリングチェック。Paris近郊のマンガが好きなお姉さんや、学生で日本語をゼロから始めたい!という男の子から、Bonjour!とかKonnichiwa!とかメッセージをもらい、対話を始めました。音声を録音して送り合ったり、添削や翻訳の機能があって、語学学習用に出来ています。慣れて来たらビデオチャットがいいそうですが、私はまだ未経験。スムーズに話せるようになってからじゃないとね。

どれだけ勉強になるか、というと、結局Googleで翻訳してコピペして送っちゃったりして、即興で会話してないからあんまり役には立ってないかもしれないけど、語学という共通の目的を持つ人と自由に話すのはちょっと楽しい。

アメリカ人とフランス語会話

そんな中、アメリカ人男性から「日本語を話したい。フランス語は話せるので、お互いの勉強になると思う」という申し出をもらい、挨拶から趣味とか日常の過ごし方などを対話。

3日目くらいに「あなたは誰かと暮らしていますか?」と聞かれ、独身です、と答えると、「私は3年前に妻を亡くし、9歳の娘がいます。エンジニアで、シェル石油下請けの契約社員。地中海の石油基地で3ヶ月契約で働いているが、延長されて既に半年、後3ヶ月は帰れないので、娘に会えない。」と。それは大変で、淋しいですねぇ、と共感の相槌などしておりました。

TandemからLINEに切り替え

仕事のわずかな合間に、メッセージのやり取りがとても楽しみだ、でもTandemは使いずらいので、LINEにしたい、とQRコードが送られて来た。まぁいいか、と思い友達承認。(ここで気づくべきでした!)

娘のとっても可愛い写真や自分の写真とかも送って来たりして、優しい良い人、という感じ。そうこうするうちに「親密になりたい」的な発言があったので、そういうことならきっぱりお断り、と伝えると、「友達として、勉強しましょう」と改心したようでしたが、私はしばらくメッセージを控えていました。

ここから本題が始まるのね

そしたら今日、「娘が怪我をして入院した。医者によるとかなり重症らしい。私は仕事を抜けられないし、治療を始めなければならない。私を助けてくれないか?」とのメッセージ。ん?助けるってどうやって?「何が言いたいのですか?」と返したら、「石油基地にいるので、銀行口座から病院への送金ができなくて困っている。治療しなければいけないのに!」うーん、つまり?「あなたの助けが必要なのです!」なかなかはっきり言わないなぁ。私ははっきり言わなきゃな、と次の返信を送る。「これはあなたの問題ですよ。私は助言はできるが、助力はできません。」ときっぱり断ったところ、「D’accord, merci.」(わかった、ありがとう)と終わりました。

調べてみたら、やっぱり

こりゃ詐欺だわな、と思ってSNS詐欺の事例を調べてみると、

・40代の独身や海外在住者が狙われやすい(寂しいと思われてるのね)

・英語が母国語だが、所在地は別の場所

・ちゃんとした企業に勤めている(IT系、石油系とか)

・妻を亡くして、親や子供を抱えて苦労している

・愛するあなたにプレゼントを贈りたいが、税関で止められたので関税を立て替えて、もしくは緊急に必要な資金を用立て欲しいから送金して

うん、BINGOだな。LINEに切り替えたのも送金目的ね。Tandem調べたらもう登録無かったし。本当は「いくら必要なの?」って興味本位で聞いてみたかったけど、深入りするのも危ないかなと思いとどまりました。ここまでフランス生活に浮かれていた私、これからの暮らしを慎重に送るための教訓だったのね、やっぱり気をつけなくちゃ、と自戒いたしました。皆さんも気をつけてね〜

セップの季節!いい香り〜

秋も深まり、窓から見える景色もすっかり衣替え。10月下旬に急な冷え込みがあったせいで、今年の紅葉は色鮮やかに染まり、いつもと比べて長く続いているそうです。

キノコの王様、セップ茸

マルシェにきのこが並び始めた!

そして待ってました!マルシェにセップが登場しました!

ジロール茸も美味しいんだけど、やっぱりフランスに来たらセップを食べないと。日本における松茸のような存在ですね。

 

とにかく大きいのを選びました。

もちろんお値段も高い。キロあたり34.9€で、私は大振りのものを1本だけ購入。160gで5.58€でした。日本円で700円くらいかな。メインディッシュとして楽しめるから、たまにはいいよね。そう考えると松茸、随分高いなぁ。。。

1本だけ買います!と言ったら、お店の人も真剣に一緒に選んでくれました。後日、弟に写真を見せたら、笠が開いたものは良く無いので、ギリギリまぁいいんじゃないかな、とのこと。そんな大事な情報、先に教えてよね。

エシャッロットとバターで調理

スライス〜、いい香り〜

先ずはキッチンペーパーでチャチャっと泥汚れを掃除。でもかなり綺麗でした。その昔、パリのボンマルシェでセップを買って東京に持ち帰った時には、虫が大量についてて、後でかなりゲンナリしたっけ・・・

適度に歯ごたえも楽しめるように少々厚めにスライス。

エシャロットとバターで炒めます。

セップの重要パートナー、エシャロット(小型の玉ねぎ)を刻んでバターで炒めて、セップを投入。ここでブワーッと香りが立つ。換気扇回すのが勿体無い!食べる前から美味しい!どのくらい火を通すのかよく分からないけど、ちょっとしんなりして艶が出て来たところでストップしました。

 

セップのソテー完成!

火の通りも良し!

加熱したら小さくなってしまいましたが、それでもたった1本で十分な食べ応え。ワインも進む美味しい夕食ができました!ちょっとしっとりして、滑らかな舌触りが、他のきのこと違いますねぇ。香りは調理中に満喫したので、食卓ではあんまり感じられなかったのですが、口に入れるとしっかり広がりました。優しい味わいです。

というわけで、あっという間に平らげました。シーズン中にあと2回くらいは食べたいな。皆さんもフランス来るなら秋がオススメですよー。(でも松茸ご飯も食べたい・・・)

車で15分!パノラマ絶景!Saint Roman de Lerps

フランス語の先生から、ローヌを見渡す絶景ポイントを教えていただきました。私の変な質問「Où est-ce que vous allez Pique-niquer?(ピクニックはどこへ行きますか?」に対して、「ピクニックはしないけど、景色のいい場所ならあるわよ」という瓢箪から駒な素敵な回答です。

「Balcon du Rhône」の異名!Saint Roman de Lerps

「ローヌのバルコニー」と称されるサンロマン・ド・ルーは、360℃のパノラマで景色が楽しめる、山の上の村。St Perayから約15分、と聞いていたけど、山道のカーブは厳しく、制限速度の時速80kmなどでは到底走れず、50km/hで後続車に追い越されまくりながら登り、30分程で到着。

可愛い小さな教会

遠くはジュラ山脈からアルプス山脈まで見通す圧巻のパノラマ風景。

頂上には小さな古い教会が佇み、ローヌの流れと周辺の町や村を見守っています。

https://www.saint-romain-de-lerps.fr/A-visiter

本当にちっちゃくて可愛い。

冬には雲海ができて、私が暮らすSt.Perayの街のシンボルCrussolのお城が真っ白な海に浮かんで見えるそうな。奇跡の絶景、見てみたいけど寒いんだろうなぁ。

街には何にも無い。本当に何にも無かった。地図ではパン屋があるらしかったけれど見当たらなかったです。でも素敵なところ。知られざるパワースポットですね。また来よーっと。

海外移住をきっかけに、エンディングノートを書いてみた

会社を辞めて渡仏するまでの間に、色々と溜まっていた身の回りの整理をしました。何年も使わずに放置していた昔のバイト時代の銀行口座を閉じたり、あちこちバラバラになっていたパスワードを取りまとめたり。そうするうちに、気がつきました。あれー、私の所有のあれこれは誰も把握していないから、私がいなくなったらどうなっちゃうのかなー、と。銀行預金は死亡後に家族が引き出すことが簡単にはできないそうで、危なくなったら先に下ろせるようにした方がいいらしい。いや、そもそも、どこに何の資産(ってほどでもないが)があるのかを、誰も知らない。

エンディングノートは誰のため?

それは、後の人が取り扱いに困らないように、迷惑をかけないためのものなんですね。今まで「自分はこうして欲しい」の欲求を伝える自己満足的な面倒なシロモノと思っておりました。海外にいてもいなくても、私が急な事故で意識不明になったりすると、多分、両親か姉弟に連絡が入り、病院に入れたり手術したり、お金もかかるし、他に誰か連絡すべき人がいるのかしら?とか心配されたりして。運悪く死んでしまって、臓器移植って希望してるんだっけ?借金はあるのかしら?とか、いちいち悩むことになる。そう、エンディングノートとは「こんな素敵な葬式にしてね!」じゃなくて、事務的な指示書だったのだと理解しました。

フォーマットを探してみる

さて、どんな項目が必要になるかな、と自分で考えてみても未経験なもので、ここはネットで先人を頼って見ようと検索。色々ありますね。

今回私がチョイスしたのはこちら。https://ending-note.info/archives/136

これでも随分と余計な感傷的な項目が多いなぁ、とさらにスリム化して、簡素なWord版にまとめました。とりあえず2部ほど印刷して、姉二人には「もしもの時にはここに置いておくから見てね」と伝えて自宅に保管。あんまり今見て欲しくないしね。とにかく、基本的なことは全部ここに書いてある、それ以外には何もない、と明言しておくことで、お互いに安心できました。

ということで、今回は湿っぽい話になりましたが、これも節目だから出来たこと。ひょっとすると、これは迷惑をかけない長生きの秘訣なのかもしれない。時々に見直して更新していきたいと思います。